高宮あきと云う奴によるDBトラ飯ブログです。pixiv(9164777)もやってます♪主に女性向けなので、嫌悪感じる方はご遠慮下さい(汗)。


by synthetia

未来師弟小説(悟飯視点)アップ。

こりずにまた駄文書いてしまいました。
大学生まっしぐらな師匠と、家業継いでいる弟子の話パート2です。
今回は悟飯さん視点と云う事で。ホント趣味。中身は無いです念の為。



 脱力、ホワイトアウト。

 冷えた手足は震え、
 換気扇から流れ出す薫りに雷鳴轟かす我が腹よ。

 …足りない。
 常に金欠の俺が食べられそうなものと云えば、100ゼニーのソーセージマフィンやアップルパイだけ。たったあれっぽっちのファーストフードごときで満たせると思った俺が、バカでした…っ!! とはいえ流石に西の都はちょっと高そうな店が多いから、おいそれと寄っていくには財布の中身が足りなさ過ぎる。
「うぅ…目が回る…」
 いつしか前。
 トランクスに誘われて立ち寄ったラーメン屋、あの時は『バケツラーメンフェア』やってたけど遠過ぎるよな。とはいえブルマさん、厳しいから。
「空腹のままじゃまずいよなぁ」
 仕方ない。今日も「あの手」に頼ろう…。







 Solfege







「…それで、うちを頼ってきたのですか」
 カプセルコーポレーションの応接室は快適で暖かい。
「ふぁい、もうふぁふぁんへひなふふぇ」
「…飲み込んでから喋ってください」
 仰せのままに。
 大盛のカルボナーラとフライドポテトを一気にかっこんでから、これから来る相手の予定を聞いた。
 大企業の創始者の娘にして、天才科学者。現在は息子に社長の座を任せ副社長にとどまっているが、カプセルコーポレーションのブレインは彼女ことブルマさんが担っていると言っても過言ではない。
 …ちなみに俺の目の前で苦い表情しながら両手を組んでいる美人は、副社長の秘書兼、現社長の教育係兼…相談役、みたいなものらしい。
 何度となくお邪魔したり、ここの『社長』と喧嘩した折にはすっかりお世話になって、今じゃこうして厄介者扱いされる程の仲(?)。時折やって来る俺の顔を見るなり「ん」と口を曲げ出涸らしの紅茶や薄いコーヒーを出して、さりげない嫌みを試みるのだが。
 …どうしてだか俺は、この秘書に親しみを抱いていた。
「ふー、ご馳走さま。すごく美味しかったです。おかげで命拾いしました」
「…今日も、レッスンですか」
「はい。今日も」
「お会いになられないのですか、今日も」
「はい。当分は」
 軽く会釈して席を立った俺に眼鏡美人は、
「たまには息抜きしたらどうです。貴方も、社長も」
と、言った。
「トランクスも?」
「ええ、そうです。社長ときたら、書類と会合はお避けになられるくせに、現場を飛び回ると時間を忘れてしまわれる。この間など、ナットとボルトの取り付け工程にこだわられてオール残業なさいました。企業のトップにあるまじき行為です」
「ははっ、トランクスらしい」
「そうさせているのは貴方でしょう」
「え…」
 座り直し、真正面のミス秘書に向き直ると俺は彼女の空色の瞳を見た。
「何かに没頭すれば人は時間を忘れます。ですが社長は貴方と違って、行動に制限がある。その限られた役割にのめり込む事で、貴方のいない空虚感をまぎらわしておいでなのです」
「…そうなんですか?」
「呆れますね。自覚はないのですか」
「それ、トランクスやブルマさんによく言われます」
 食べ終えた皿の端に手を伸ばしパセリをつまみあげるが、睨まれた。やめておこう。
「…これは俺の意地と云うか。約束取り付けた以上、ひけないというか」
「会えばいいでしょう。別に、副社長も途中で会うな、とまでは仰らなかった筈」
「決意が砕けちゃいそうで怖いんです。なんかこう…全て片付いてから両手広げて会いたいんですよね。もし失敗したらガックリするでしょう?」
「成程。実に貴方らしい」
 ですが若社長が待っていられますかねぇ、と意地悪い意見が腹八分の学生にクリーンヒット。だが俺としては、今度こそ退けぬし媚びぬし省みぬのだ。

 あの副社長さまを納得させるには素人がピアノ伴奏するだけじゃ、足りない。

「どうせなら、苦手なものを上乗せで克服すればいいかなぁ、って。そしたらブルマさんをノックアウトできるでしょ?」
「ええ確かに副社長も驚いてらした。ですがわざわざ自ら苦行に飛び込む事も無いでしょうに。もし上手くいかなかったらどうなさるおつもりですか、貴方は」
「大丈夫。絶対成功させて、近い内にトランクスと一緒に暮らすんです」
「ご実家のお母様には」
「…大体のところはOKなんですけど、関係までは、まだ」
「浅はかですね、貴方は。社長が泣いても知りませんよ」
「いざとなったら駆け落ち、とか?」
「そこは笑うところじゃないでしょう」
 ああ何故こんな人に若社長は心奪われてしまったのでしょう、とミス秘書が嘆く。
 それも不思議だが、こうして俺とトランクスの関係を公認している彼女こそが謎なのだが…。
 タイピンの贈り物の時も、オーロラ旅行の折も、なんやかんやで本当、世話を焼いてくれたのだ。この人は。
「…ピアノ、弾けます?」
「私がですか? 小さい頃、少しだけ習った事が」
「楽譜見てドレミとかの音階で歌うのって、やりましたか? 俺、あれが恥ずかしくて…」
 そうなのだ。ブルマさん、やたら俺に歌わせたがるというか、ピアノ弾く前に譜面を見ながら歌わせるんだよなぁ…。
「ああ、ソルフェージュですね」
 ミス秘書の言葉に俺は「ソル、フェージュ?」とオウム返しをする。
「そう。ソルフェージュとは、楽譜を見ただけで音階を読み取れるようになる為の基礎訓練です。楽譜を正確に読めないと伴奏も出来ませんから。しかし副社長は貴方に発声練習もさせているのだと思いますが」
「なるほど。勉強になりました」
 カバンからメモを取り出し早速書き足していると、ミス秘書が立ち上がり扉へ歩み寄ると「まずいわね」と呟いた。何か緊急事態なのか? と首を傾げている俺を彼女はぐいっと引張りソファーの後ろに隠れていろ、と言う。
「…どうやら社長が、私を探しに来たようです」
 私が社長を此所から遠ざけますから、と言いおいて、しなやかな後姿が扉の向こうへと消える。足音。聞き覚えのある低い声。多分「ここに居たのか、探したよ」といった台詞だろうか。…なにコソコソしているんだろう、俺。
 気配はどんどん遠ざかっていく。今からなら間に合うけど、意地がある。
 約束、したんだ。

『平和になったらボク、悟飯さんとずーっと一緒に暮らしたいなぁ!』

 出来る筈のない理想と夢を追っていたあの頃より今の方が、断然ハードルは低い。
 …そうだよ、俺はいつだって、叶わない夢ばかり追ってきたじゃないか。
 それでも。これだけは叶えないと、生き返らせてもらった甲斐がない。

 腕と肩に貼った湿布薬の匂いに顔をしかめ、俺は女副社長を待つ。
 さて今日も夜までレッスンといきますか…!!

END.



状況が掴みづらい駄文ですので、補足。
先日アップした『Rehearsal』より前の悟飯さんです。
「ピアノと歌両方なんていくら悟飯くんでも無理よ」と言われて
「じゃあ両方一緒に出来るようになったらご褒美くれますか?」
と、言った悟飯さんなのでした。

…補足無いとわかんないだろうなぁ…ホントすみません趣味で…(泣)。
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by synthetia | 2013-12-08 21:13 | (主にトラ×飯)駄文 | Comments(0)