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高宮あきと云う奴によるDBトラ飯ブログです。pixiv(9164777)もやってます♪主に女性向けなので、嫌悪感じる方はご遠慮下さい(汗)。


by synthetia

君と繋がるエターナル〜前編〜

こんばんは。高宮です。
ホントならばちゃんとした形でもって萌えを排出したかったんですが…(汗)。スミマセンが言い訳していいッスか?

このタイトルからしてお分かりかもしれませんが、
これからアップする駄文はプチオンリー新刊の続編的な扱いのモノとなります。
「おまっ…何考えとんじゃあこのバカチンがぁ!!」
ええ全くですよ、自分が一番反省してます。

というかですね。
そもそもこないだ発行した新刊『君に繋げるイモータル』って小説本は、ソフトなものを目指し書いたシロモノでして…なんというか、プラトニックな感じの、心と心の繋がりみたいな清いカップリング本目指したくてトチ狂ったものでして…(照)。
いやしかし高宮さんには無理がありました(爆)!! 元が腐女子属性ですからね!!
「ベタ甘なエピソードが書きたいこんちくしょう」と(笑)。


『君に繋げるイモータル』を全く読まれた事の無い御方にも伝わるような、そんな萌え…書きたい…いや書くのだ… ッ!!



前置き長くなりました。
と云う訳で、多分お読みになった後「なんだこりゃあ…」とお思いになられる方々も沢山いらっしゃるとは思うんで…支部にはアップせず、細々とこの場所でのみの公開となります『君と繋がるエターナル』、ついてこられる御方のみ、どうぞッ(爆)!!
今回は、ギリセーフなので普通に公開しますが…後編は限定公開にてお届けします…!!










 君と繋がるエターナル 〜前編〜





 エイジ842年。
 数十年前———かつて人々は『災厄』と呼ばれる悪魔たちによって虐げられ、地球人口の約半分を失ったのだが、その爪痕は平和によって薄れつつある。

 ここ『西の都』も復興が進み、今や地上最大規模の企業都市にまで発展しているので、住まう人々はほんの一握りを残すのみとなっている。
 …見渡す景色は夢のよう、頭上には空気よりも澄んだシールドが張り巡らされ、一定間隔で天候を知らせるアナウンスが流れる為、人々は皆、雨に降られたりする心配が無い。
 ふと立ち止まり見渡せば高層ビルディングばかりが立ち並んでいるこの街だが、街路樹をはじめ、大概の企業は屋上を解放し、美しい花々やたわわな果実を育てているところもあるので近付き難さは無く、どこか親しみ易さがあるのもこの『西の都』の最大の特徴でもあった。





 さて、その件の都市に住まう、とある二人がいた。
 ひとりは背の高い老紳士。もう片方は、若い青年である。
 推定にして巨大なドームふたつを収容する事ぐらいは可能であろう敷地———芝と観葉植物、よく手入れされた木々でいっぱいの———に彼等は共に過ごし、またその住居はこじんまりとした旧式の家屋と、やはり小さなドームハウスのふたつ。若者は白く艶やかな新型の住居で暮らし、白髪の男は古いが頑丈な家屋で日々の仕事を片付けていた。

「…トランクス、そろそろ食事にしないか? そんなに根詰めてたら身体に毒だし、作業効率も悪くなる」

 トレーに食事を乗せやって来た若者は、齢を重ねた男の前で苦々しく微笑む。事実、純白の髪をした男はこのところずっと、時間さえあれば薄暗い書斎へ閉じこもり、モニター画面を睨みながらキーボードと格闘ばかりしているのだから。

「…聞こえてるのか? シチュー、冷めちゃうだろ」
「すみません。これ、もう少ししたら終わりますから…」
「さっきも同じ事、言った。折角キミが好きだっていうから牛肉の良いの買ってきたのに…そんなに俺の手料理より仕事が大事なのか」
「もう、悟飯さんたら。…ほら、ちゃあんと仕事終わったでしょ?」
 トランクス、と呼ばれた初老の男は眼鏡をはずしデスクに置くと、数十歳は年下の『恋人』へ向き直り、ニコリと微笑んだ。
「わぁ、このシチュー、すごく煮込んでありますね! こいつは美味そうだ」
 そうだろうそうだろう、と胸を反らして自慢げに歯を見せる若者に礼を述べ、男はスプーンを手にふぅふぅ、と大皿のシチューを食べ進める。挽いた豆から淹れたコーヒーと、ぶつ切りにした少量のニンニクを用いた特製のビーフシチューは、完熟のトマトの爽やかな酸味と上質な牛肉の旨味を最大限に引き出している。老体とは思えぬ歯を駆使し、大きな肉の塊を美味そうに喰らうその姿を眺め、黒い両目を煌めかせた若者も自分のシチューにありついた。

 …本当であれば、七十を越えた恋人の身体を考え、もう少し消化の良い料理を提案したいところなのだが…相手は一般の地球人とは異なり、頑丈な胃袋と、その年齢とは到底思えぬ桁外れの運動神経を併せ持つ。それに、
『オレの事は全然気にしなくて結構ですよ。歯だって胃だって、そこいらの若造数百人集めたのよりも丈夫なんですからね』
 そんな風に宣言されては、相手を『老体扱い』するのは失礼というものだ。
 だから若者———孫 悟飯———は敢えてこの年配の恋人、トランクスを数十年前と変わらず以前と同等の扱いをしているし、また愛していた。
 …おそらく、相手が想う以上に、想像しているよりも、ずっと。

 不慮の離別により、時間と年齢を大きく隔たれてしまったふたりだが…それなりにうまくやっていたし、軽口を叩けるようにまで距離は縮まったのだが———ひとつだけ問題があった。
 それは…『夜の生活』に関するものである。

『歳など関係ない、キミはキミだろう』
 そう告げてくれた悟飯。
 だが、トランクスの側としては———齢を重ねた己の姿に流石に躊躇してしまうのと、それに反し、瑞々しく白い悟飯の裸体に果たしてどれだけ抑制がきくのか不安を抱いているのである。
 …一度、神々によって記録全てを抹消された悟飯は今、一介の地球人にすぎない。トランクスの記憶と、ナメック星のドラゴンボールの力によって与えられたかりそめの肉体は見た目こそ以前の孫 悟飯と瓜二つではあるのだが、ほんの少し、トランクスが本来の力を出してしまえば…悟飯の肌は薄紙のごとく裂け、その肉体をも壊してしまうやもしれぬ。
 …皺くちゃの老人、と嘲られるだけならまだ、いい。
 しかし、漸く生き返らせ手に入れた大事な存在を性欲ゆえに壊してしまうのだけは避けたかった。そうだ、悟飯とて人並の神経を持つ人間だ。
《キスを許してくれるだけでも、勿体ないのに…オレは……》

「おい、トランクス?」
「あ、ああ…すみません。やっぱりちょっと疲れがたまっていたんですかね、ちょっとボーッとしてしまいました。…これ、凄く美味しかったです。おかわりを所望しても宜しいでしょうか?」
「いいけど。…まだそれ、続けるのか? キミ、財産なら幾らでもあるだろうに…懲りないな」
 スプーンを咥えたまま、悟飯は相手のパソコンを指差した。
「株とか投資とか、俺はあまりよく分からないんだけどね…。よくこんなのやろうって思えるよな、本当に。…もうちょっとしたら俺も外に出て、働こうとは考えてるんだけど」
「そうですかそうですか、そりゃあいいですね。でも悟飯さん、最近の小学校でも普通にタブレット使っての授業が当たり前ですし、体育にはダンスの項目が含まれているって知ってます? …もう昔とは全然違うんですから、もう一回大学通っといた方がいいかもしれませんよ」
「…え!? そうか…今の俺では、社会に通用しないのか…」
「いえいえ、ただ現実を教えて差し上げただけですよ? 大丈夫、もう一度大学通いたかったらオレが授業料全て出しますから。悟飯さんは安心してご自分の好きな事に没頭するといいです」
「…うん。あまりキミに頼ってばかりじゃいけないし、な。それに、キミが明るい余生を過ごせなくなるとしたら、本当に申し訳がたたないし。…じゃ、シチューのおかわり持ってくるから待っててくれ。パンはいるか?」
 ああください、と手を振る翁に悟飯は「任せてくれ」と片目をつむり、ドーム型の新居へ戻っていった。彼は、あちらへ住まわせているのだ。
 …間違いを起こさないようにする為にも。

 こうして無理にでも突き放さなければ、自分は確実に悟飯を犯す。
 押し倒して、その唇を貪って…柔らかな耳朶、滑らかな鎖骨を、艶やかな胸元を弄ってしまいそうになる。衣服に隠された全てに口付けたくなる…。

 慣れない作業をするのは無論、もし仮に自分が突如逝ってしまっても彼が困らないよう貯えを作ってやりたいのも、ある。しかし本当のところは、没頭するものを拵え、奥底で息づき蠢いている己の欲望を抑え付ける重石にしたかった、それだけなのだ。
 此処で、音一つ届かないこの狭い空間でキーボードに触れ、モニター越しの数値を飽く事無く眺めて思案に暮れているだけでも相当気は紛れる。
 しかし、最近悟飯の表情が重く沈み、無理して明るく振る舞っているのを知っているだけにトランクスはやりきれなかった。
《こんな所に縛り付けられて、さぞや気分も重かろうに…》
 そうだ。そう遠くない日に、悟飯を外へ連れ出し、大学のキャンパスでも歩かせてやろう。いや待て…その前に数多くある大学をリサーチして、彼に相応しい場所へ通わせてあげなくては…。
《こんな老人と一緒にいても実りは多くない。それより、外界を見せて視野を広げてあげよう。それが、オレや悟飯さんの為なんだ…》





 作業が一段落ついた頃には、周囲は真っ暗だった。レースカーテンの隙間からは、紺色に染まった天空、ぽっかり浮かぶ月がある。
 こりゃあいかん、と、翁はジャケットを羽織り小さな自分の住処に鍵をかけると、ぱたぱた、と数十メートル先のドームハウスを目指す。新緑の香る星空の下、そのちいさなちいさな住居からはオレンジがかった優しい光が灯り、また夕餉の香りを漂わせていた。
「すみません悟飯さん…! つい、没頭しちゃって…」
 息急き切ってダイニングへ駆け込めば、当の悟飯は鍋を両手にきょとん、と男を眺めていた。慌てなくても良かったようだ。
「…俺、ちょうど呼びに行こうと思ってたから…。いや、まぁ…丁度良かったんだけど…そんなにハァハァいって、大丈夫か…?」
 汗を流す程焦って飛び込んできたトランクスに、悟飯は水を差し出した。
「とにかく、仕事、終わったんだろ? 今夜は鶏の水炊き。キミ、好きだったよな?」
「はいっ! それはもう大好物で…うわぁっ、この肉すごくいい艶してますね」
「この間はキミが色々と美味しいもの作ってくれたし、俺も負けたくなかったからさ。…じゃ、食べようか」
「いただきます!」
 ふたりは同時に手を合わせ、暫し沈黙のまま咀嚼を続ける。
 特に、若い悟飯は口でこそ言わないが、肉類はよく食べる。もう戦闘民族の血は受け継いでいないというのに、その食欲は以前と変わらず、なんでも美味そうに頬張っていくのは良い事だ。眺める側も気持ちがいい。
 単純に、素材の良さと旨味を最大限に引き出しただけの簡素な食事ではあったのだが、彼等は舌鼓を打ち、満足げに腹をさする。

 それから、一緒に後片付けを済ませ、リビングのソファーで寄り添い、肩と肩を合わせ、娯楽番組を観る。これは日課だ。
「トランクス、」
 番組に夢中になっていた辺りで、悟飯が首に手を回し、キスをしてきた。時折、悟飯はこういった行為を仕掛けてくる。その度トランクスは拒み、幾度となく引き離し続けたのだが…彼は懲りずに今晩もそうしてきたのだった。
 なんという、柔らかさ。ちろりと舐めあげたくなる。込み上げる熱を精一杯理性で抑え付け、男は悟飯のしがみ付いてきた手を外す。
「……嫌、か…?」
 トランクスの仕種に、悟飯は不安げに顔を離す。
《そうじゃないんです》
 不快ではない。寧ろ、この胸は苦い甘さで満たされ、衝動に身を任せてしまいそうになるのを必死で抑え込んでいるというのに。
 だが敢えてトランクスはそれを告げず、黙ったまま、くせのあるその黒髪を撫で微笑んでみせる。速まっていく鼓動と、己の欲望を悟られてはならない。
「悟飯さん。そろそろお風呂に入りませんか?」
「…ああ、わかった。すぐに支度してくるから。今日は、こっちに泊まるんだよな?」
 一応、互いに別の住居がある上、それぞれバスルームはついている。だがこのところ三日おきに悟飯が「一緒に寝たい」と提案してくるので、敢えてトランクスは「風呂に入らないか」という形で切り出すようになったのだ。
「しかしなぁ…トランクス、俺思うんだけど、いちいち互いの家通い合うのっておかしくないか? なんでキミ、こんな家の建て方しちゃったんだよ。いくら俺の記憶が元に戻るか怪しかったからって、これはないだろ普通。…それとも…」
 ———記憶が元に戻らなかったら見捨てよう、とでも思ってたのか?
 そう呟いた悟飯の目は、笑っていなかった。
「悟飯さん、オレはね……」
「…そんな顔するなよ。大丈夫、冗談。怒ってなんかいないよ」
 ほら風呂沸いた、と告げ、青年は甲斐甲斐しく恋人の為にと、寝間着とバスタオルなどの一式を用意し、手渡してきた。
「ベッド、用意しておくから。ゆっくり浸かってきていいぞ」




 
 風呂を交互に使い、互いに髪を乾かすとミネラルウォーターを飲み、ダブルベッドに腰掛ける。初夏とは云い難い熱気の続く今日この頃だが、夜間は涼しい。しかし湯を浴びた直後の全身は火照り、どうしても汗ばんでしまう。
「…トランクス。キミ暑くないのか?」
「オレは老人ですからねぇ。体温調節、あまり機能してないんですよ」
 半袖のパジャマを纏っているだけの悟飯に対し、トランクスはゆったりした長袖の寝間着姿でベッドに潜り込んでいる。それを眺め、悟飯は信じられない、と云った態で片手をひらひら動かし「暑い」と呻いた。
「…エアコンつけたら身体に悪いし、な。ちょっとだけ、窓…開けていいか?」
「ええ、どうぞ」
 トランクスの許可を得た悟飯は壁に設置されたボタンを押し、無色透明のハッチを解錠し、開いた。ひんやりした夜風が沁み透り、程よくクールダウンしていくのが心地良い。
 少し青みがかった月光に誘われるようにして、悟飯はトランクスの真上に覆い被さると、その純白の頭髪をさらりと梳き、真直ぐ結ばれた唇へキスを落とした。
「悟飯さんっ…窓、空いているんですよ!?」
 今度は強く否定し突き放すと、悟飯は「やっぱり」と囁く。
 それはどういう意味か? と、碧眼の翁が問えば、若者はこう答えた。

「…俺が以前と違う。だから拒否するんだろ」————と。

 暗く沈んだ面持ちを隠そうともせず、少し怯えたようにして告白してきた悟飯にトランクスは目を見開く。
「その…キミのおかげで俺は再び此の世へ戻ってこられた訳だが、鏡を見たり、身体を動かしていると、どうしても違和感が拭えなくてな…。自分自身でさえそう感じているのなら、キミにはもっと無理をさせているのだろう、とは、思う…」
「それは、どういう…」
 悟飯の語ろうとする真意が掴みきれず、トランクスは思わずその両肩を包み込み、目映い漆黒の両目を見つめる。吸い込まれそうな程に深く、その都度複雑な色味を弾く悟飯の美しい両眸が、彼は好きだった。
「…この身体は魂を繋ぎとめておくだけの容れ物だから、それほど丈夫ではないし。…その、見かけも、結構変わってしまったし、な……」
「悟飯さん、それは…」
「違う! …キミや神様たちには本当に、感謝してる。…ううん、感謝だなんて言葉じゃ表せないぐらいに有り難いし、戻ってこられて嬉しいさ。だけど、もしまた何か起こっても一緒に戦えないし、同等の立場にすらなれなくて……いや、違うなこれ。うまく、言えないんだけど……でも、キミがここずっと困っているのは知っていたから…俺はそれが、辛い…」
 歳、完全に引き剥がされちゃったな…と、かつての『師匠』だった存在が小さく縮こまり、首をすくめて自嘲気味に笑んだ。
「こういうの、なんていうのかな…分からないんだけど、俺は凄く恥ずかしくて…申し訳なくて…キミに感謝しなくちゃいけないのに、その……」
 告白をする悟飯の声が徐々にかすれ、消え入りそうなものへと変化する。青白い光を弾く黒髪がその額の上でさらさら、と揺れていくのを、男は目を細め、眺めていた。

 ———さみしいんだ。

 悟飯の唇が、確かにそう告げた。
 夜風の音にかき消されそうになる若者の本音を、男は逃さなかった。
 艶やかなその声を、トランクスは何度も何度も胸の奥で反芻し、己の老いた身体の事すら忘れ、若者の引き締まった無駄ない全身をかき抱くと甘い香りのする項に口付け、その名を呼んだ。そして、とうとう彼をベッドへと押し倒す。
 しかし…男は我に返ると「申し訳ありません」と、身を引く。
「ごめんなさい、悟飯さん。痛くはなかったですか…」
 手を差し出すと、悟飯は仰向けのまま首を横へ振る。
「大丈夫だよ。痛くもなんともない…寧ろ、吃驚はしたけどな」
「すみません、本当になんという真似を…。もう、しませんから…」
「…してくれないのか」
「え………」
「俺、は……キミに…嫌がられてるのかと思ってたから…。だから、そ、の……」
「オレが……貴方を…?」
「俺、前とは、違うから。その…避けているんじゃ、なかった、のか…」
「何を言うのですか、悟飯さん。もし避けられるとすれば寧ろこの、オレだ。見て下さいよ、この皺を。髪は真っ白ですし、肌はしなびてる。もう昔通りではないのは一目見てお分かりでしょう?」
「それがどうした。…俺には全てが魅力的に映るよ」
「ほら、そこかしこにシミもある。若くて綺麗な貴方とじゃ釣り合わないし、滑稽だ」
「キミがどう言おうと、俺の目の前にいるのは背筋の伸びた素敵な紳士、ただひとりだ。キミは、自分が思う程年老いてなどいないし、雪のようなその髪はとても、綺麗だよ。深い海の底のような澄んだ瞳も、逞しいのに優しい腕も、俺を導いてくれる足もそっくり全部、俺は……好き、だ…」
「悟飯、さ、ん…」
「好きだ。もう、耐えたくない」
 夜空に浮かぶ星を思わせる両目が男を捉え、若くしなやかな指が老紳士の頭を引き寄せ、ふたりの顔はそっと重なった。息継ぎすら忘れ、貪るように何度も何度も、口付けを交わす。喉の渇きを潤す砂漠の民、或いは初めて知った飴玉にむしゃぶりつく幼子にも似た動作を繰り返す彼等は、開かれたままのハッチの存在すら忘れ去っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ…っ…」
「すみません、つい……」
 悟飯の汗ばんだ額と頬を撫で、互いを繋ぐ銀糸を拭う。瞼を下ろし、荒い呼吸を整えるのに精一杯である若者の紅潮した輪郭のまろやかな流れを辿り、青年らしく組み上がった肉体を目で追い、愛でる。数十年前の記憶と寸分違わず逞しく美しい肉体だと思えるのだが、これは悟飯本人には少し異なったものとして映るらしかった。しかし矢張り美しいものは美しいし、年齢より若く見られる愛嬌ある眼差しも、良き香りを放つ全身は何にも替え難い、男の宝物だ。
 しかし…いいのか? このまま進んでしまって、いいのか?

《悟飯さん…貴方に、幻滅されてしまいたくない》
《やっぱり……今の『俺』では…駄目なのか……?》

「あ……はぁっ……、」
「汗をかいていますから……脱ぎましょうか」







 …To be continued…?



ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー

さる事情があって、更に歳の差開いちゃった二人。
…勝手にやってろバーカ、と己で思ってしまう程身勝手で分かりにくい文面で、
いつもより沢山の反省。ホントひどいです。やり過ぎました。

次回は二人がフュージョン(笑)。
もし読んで下さった御方が一人でもいらしたなら、高宮はニヘニヘ笑いが止まらなくなるという呪いをあえて受けとめます(爆)。
  

by synthetia | 2015-06-02 00:26 | (主にトラ×飯)駄文 | Comments(0)