高宮あきと云う奴によるDBトラ飯ブログです。pixiv(9164777)もやってます♪主に女性向けなので、嫌悪感じる方はご遠慮下さい(汗)。


by synthetia

真・武道会2って操作が難しい(SSアップ)。

お久し振りです。高宮です。
もはや誰も望んでいないだろうに、しつこ〜くも駄文書きたい衝動にまかせ色々と書いちゃいました。
でも何故かトラ飯ではなく、天津飯と未飯さんの話になりました。
(今度はクリパチ絡めて未飯さん書きたいけど時間が…)

ではでは。お暇潰しになればいいです♡
※真武道会2ベースで。
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 川と水滴と







 鳥のさえずりと射し込む朝日で、彼は覚醒する。

 長年を地下シェルターのコンクリート壁の中、或いは瓦礫や被災地で目覚める事の多かった身にとって陽射しは尊いものであり、また、慣れぬ象徴たるものでもある。
「…おはよう。今日も良い天気だね」
 昨日、中庭で合同の組手をした折に摘んだタンポポをつつき、彼は更に伸びをしてから顔を洗い清め、髪を整え、真新しい道着に袖を通すと、廊下へ踏み出した。
「よ、悟飯。よく眠れたか?」
「…ええ、すっかりと。状態は万全です」
 記憶の中にいる『父』よりずっとがっしりとした姿の孫 悟空———過去世界からやってきた父親———に声をかけられた彼・悟飯は内心の動揺と速まる鼓動を悟られないようにしつつもさりげなく「今日の朝食、なんでしょうね」と話題を添える。すると悟空は「身体いっぺぇ動かしてきたかんな、どんな物が出たってへっちゃらだぞ」と、鼻を擦り笑った。確かに、ブルマの食事はそこそこである。物によっては美味いが、どちらかといえば空腹であれば更に、といったレベルだ。
「おとうさんやベジータさんは、朝早いんですよね。俺も見習わないと」
「ははっ、単に歳とると目覚めるんが早くなっちまうだけさ」
 おめぇはおめぇのペースでいいんだからよ、と、悟空。
「さぁてっ、今日もいっちょ暴れてやっかな。さっきブルマに聞いたとこだとまだ戦闘人形てのが悪さしたってニュースはねぇみてぇなんだが…」
「そうですね。…では朝食後、玄関先に集合という事で」
 良く似た道着を纏い己と酷似したその存在が去る事で、悟飯はそれまで止めていた呼吸をつき、胸の奥に溜まっている靄を吐き出すかのような仕種をした。

 ———いざ正気と魂を取り戻し、かつての弟子を助ける為に此世へ戻ってきた先に、かつて崇拝していた最強の父がいて、しかも仲間達全員が結集していたという光景は、十数年ぶりに命を授かり復活したての悟飯にとって相当ショックなものであったのは筆舌に尽くし難いものがある。
 だが、置き去りにしてしまった弟子・トランクスとの再会と、その母であり戦友のブルマが無事生き残ってくれていた事が彼の中で何よりも尊く、心からの感謝と歓喜で胸がいっぱいになったのも事実である。ああ、戻ってこれて良かった。これからは彼等に恩を返さねばならない、それが己の魂の証明になるだろう、と。

 しかし、その決意が簡単に折れそうになるのは何故であろう。
 いくら卑屈になったところでそう簡単に力の差は、埋まらない。

 例えば、あの『孫 悟飯』———過去世界という別次元からやってきたもう一人の自分にしたって、未だあどけなさの残る少年にもかかわらず、強い。その弟(※こちらでは誕生さえしなかった存在)の悟天や、幼馴染みだと云うちいさなトランクスさえもがこちらを凌駕する戦闘力を秘めており、しかも育成してくれる環境下ゆえか、ずば抜けた格闘のセンスも持ち合わせている。
 …これも皆、ブルマのタイムマシンと、弟子であるトランクスの活躍があってこそのものだろうし、本来、失われる筈だった可能性と生命が共存する『次元』が生まれたのはなによりも、嬉しい。しかし、悟飯にとっては苦い薬のようなものでもある。
 果たして自分は、彼等同様に役立てるのであろうか?
 その前に、あれ程までに苦しみぬいて病に蝕まれ逝った、己の父のあれらは一体何処へ消えていくというのか…母も自分も、本当に、気が狂う程墜ちて、墜ちて、沈んだというのに…。それにかつての仲間達も悟飯の知るものより遥かな高みにあり、気後れしてしまうのだ。しかしそれはトランクスの手前、怯む様など見せられぬ。

 ———俺は、いらないんじゃないか?

 不安が押し寄せそうになる度に彼はぐいぐいと奥底へそれをしまい込み、いつか前そうしていたように毅然と前方を見据え、その場状況に見合った最善の策を練る。
《俺は、おとうさんやベジータさんとは違うんだ》
 そう、けして卑屈になっているのではない。彼等は彼等、自分は自分、である。
 生まれながらに戦闘のプロとして存在している純粋なサイヤ人とは違い、争う事は好きじゃない。…けれどこの父譲りの力は誰かの『盾』として役立てられるし、炎も瓦礫も消す事も出来るのだから誇らしいとも思う。
 しかし…果たして現状のままで良いかと云えば、答えはノーだ。
《今は未だこうしてみんながいてくれるから良いだろう。…でもこの先俺は、トランクスの盾とならなくては…》
 強くならねば。刹那の邂逅を活かし、全員から技を吸収し経験を重ねていかないと、意味を成さなくなる。
 まぁ———クリリンの伴侶となった『人造人間』を除いては、比較的友好な関係を築けているから、その内手合わせを頼み協力を仰ごう。今度は、失うだけでは許されないのだ。

 大人数に対応する為に開放されたスクリーン室には、撤去されたPCの代わりに大量のベーコンやスクランブルエッグが陳列し、矢張り山と盛られたロールパンが所狭しと並んでいる。
 悟空は息子達ふたりと、ベジータとちいさなトランクス。クリリンは伴侶と食事を摂り、…ピッコロは多分、外にいるのだろう。残るヤムチャと天津飯、餃子はなにげない日常の会話を楽しんでいて…弟子のトランクスは、と云えば姿がない。とっくに食事を済ませたか或いは緊急の呼び出しでもあったに違いない。
 青年はそっと音をたてずにロールパンふたつとスクランブルエッグ、ウインナーソーセージを適量、皿に盛って、一番端にあったコールスローサラダを手に珈琲を探す。
「お! 悟飯、おめぇもこっちに来いよ!!」
 悟空に見つかった。…悟飯はさりげなく会釈をすると「いえ、俺はこっちで…」と、窓際の席を指差した。これまでたった三人で食事を済ませていた身としては落ち着かないし、幾ら血が繋がっていても疎外感は否めないのである。
 遠慮すんなよぉー、と尚も悟空が眉をひそめ、悟天と少年の悟飯が悲しそうな顔を見せていたのが申し訳なかったのだが、青年の悟飯はひらひらと手を振り「また後で」と言い残し、席につく。
 人工ミートではない本物の肉を一口、軽くマーガリンを塗ったロールパンを頬張って、牛乳を多めに入れたカフェオレを胃に収めると、気分が少し落ち着いた。U字型にカーブした硝子窓の向こうから一望出来る中庭の緑に目を細め、この復興したばかりの世界を今度こそ守らなくては…と、彼は密かに拳を固めた。







「————肩の力が入り過ぎているな」

 襲撃された都市の防御戦の折、ふと隣から声をかけられ、それが天津飯のものであると知るや、未来の悟飯は「そうでしょうか?」と、無機質に返す。
 別に、反発心からではない。寧ろ、声をかけられたのは嬉しいのだが、これが実戦の場であるのと、戦力の差が多少悟飯を傲慢にさせてもいた。第一、この世界を十数年間護り続け、人々を逃がす手段や怪我の手当にも長けた自分だ。とやかく云われる筋合いでもない。
 …しかし、と、悟飯は一旦『気』の解放を落ち着かせた辺りで相手へと顔を向け、改めて「いきなり、どうして…」と呟いてみせる。生前、こちらの世界で殆ど会話をする機会も無かった相手であり、父と顔見知りだという以外の認識も、ない。
 天津飯。———父・悟空とかつて『天下一武道会』で競い、破り、優勝した男。亀仙流とは真逆の流派、鶴仙流の戦士。古典的な武の動きを更に連動的にさせ発展していった鶴仙流の技は実戦向きで、悟飯も多々世話になってもいる。舞空術をはじめ、太陽拳、気功砲———これらのものは全て、天津飯や餃子の存在が無ければ悟飯も知り得なかっただろうし、力の差はあれど先達でもある。
 髪一本すら許さぬ、綺麗に剃りあげた頭部に続く、切れ長の瞳。彼の最大の特徴たる、額の『第三の目』は一体何を映し出しているのだろう、と常々興味をもっていた対象をひたと見つめ、未来の戦士は「焦りが出ているのかもしれません」と本音を洩らした。
「…少しでも役に立たないと、自分が復活した意味が無いから…そう言い聞かせて動こうとすると、肩に力が入っちゃうのかもしれないですよね」
 ———でももう、誰も取り零したくないんですよ———と悟飯。
「長年かけて鍛え続けてきたつもりでいました。みんなの仇も絶対にとれるだろうと過信してもいました。…その結末は皆さんも周知であるとは思いますが、俺は…全く何も出来てなどいなくて…。でも、だからこそ今こうして、あの子が救ってくれたこの世界を守りたいと思うんです。思うんですよ、本当に」
「そうか」
 簡潔な返事で青年の想いを一旦締めた天津飯は「お前らしい」と頷き、更にこうも言う。「…ならばまずはその考えを改めろ」とだ。
「過去、お前は自己犠牲の上でトランクスの命を繋いだ。その精神は非常に崇高で気高いとは思えるが、身を呈しているだけでは何も変わらん」
 …己の命を捨てても良い、と考えている奴等はけして高みにはいけん。もっと貪欲になり、己の欲し求めるものを掴み取る覚悟が必要だ…と、男は低く、未来の戦士を穿つように言い放った。
「お前は、何の為に戦う?」
「…世界の平和の為に、です」
「だから力を欲するのか? お前は」
「守りたいんです、俺は。おとうさんや、貴方がたの生きてきたこの世界を。…トランクスやブルマさんがしてきてくれた事も無礙にしたくはない…。復興は進んでいますけど、全人口は二十年前の十分の一程度しか残っていません。だから…俺はもっと力が欲しい…」
「悟飯。これはオレの流派の教えだが…」

 ———川は板を破壊できない。
   水滴のみが板に穴を穿つ。

「思いと焦りが生じれば軸もぶれ、お前は本来持つ力すら解放出来ん。…だが、トランクスの元へ再び戻りたい…という心がお前を正気へ戻し、此世に導いた。幅広く求めようとするな。所詮は人間、出来ることは限られている。あれもこれもと手を伸ばしてしまえば、一番大事なものを失ってしまう」
「…ですが、俺は、」
「もっと素直になれ、と言っているんだ」
 まぁオレもそれ程語るのが巧くはないが、と天津飯。
「理由と大義を持つのはいいが、それを繰り返していると何時の間にか己の立ち位置を把握出来なくなる。かつてのオレや餃子のように大義名分の為と戦い続け、本来の自分を見失う事も多々あるのだから」
 ———それを、お前の父やヤムチャが気付かせてくれたのだ———と鶴仙流の戦士は剃髪した頭を撫で、僅かにではあるが和やかに目を細めた。悟飯は、俯いた。
「オレにもかつて、想いを寄せた女がいた」
 尤も、鍛練の妨げになるからと避け続けていたら失ってしまったが…と、天津飯は遠い目で数十メートル真下の都市を眺め、元気でやっているといいんだが、と呟く。
「人間、生命の全てをお前ひとりが守れると思うのは、傲りだ。悟飯、まずは肩の力を抜け。そして、誰かの為にではなくお前自身の為に戦え、まずはそうしてみろ」
「…ヤムチャさんも貴方も、なかなかどうして饒舌ですね」
 俺は何時だって自分自身の為に戦い続けてきたつもりだけど…と、悟飯は薄雲のはった空を仰ぎ、瞳を閉じる。
「確かに俺は、誰かを助けたくて、救いたくて戦い続けてきた。でもそれは…大義名分とか、死んでいった仲間達の為だけじゃない」
 ———独りぼっちになりたくなかったからですよ、と、父親似の面を紅潮させ、悟飯は本音を洩らした。
「…みんながいなくなっちゃったら、寂しいじゃないですか

 でもこんなのかっこ悪過ぎて誰にも言えません…そう言い、悟飯は短く切りそろえた黒髪をばりばりと掻くと「どうしてこんな事言わせるのですか」と詰る。
「フッ……やっぱり、その方がお前らしい」
「…なっ…」
「その調子でいる事だ。あと、夕食はたまに悟空達の方にも行ってやれ」
 でないと、この後きっとお前は後悔をするだろう———と、長身の男がクリリンの加勢をしに移動してしまうと、悟飯はむぅ、と唇を尖らせた。



 



 ———仲間に入れてください。

 そういった類の台詞を口にして、青年の悟飯が悟空親子の元へ足を運ぶようになり、やがては朝の鍛練に顔を出し始める頃、ひとり面白くない顔をしたのは、青年のトランクスである。
 悟飯さんたら最近付き合いが悪いなぁ、と遠目で親子の組手を眺める傍から「師匠をとられて不服か?」と、戦瑕を持つ一匹狼が軽く野次る。
「いいじゃんか、ああいうのも。人間味がある方が見ている側も落ち着くぜ?」
「…ちょっかいかけるの止めていただけませんか?」
 何を言いたいのかよく分かりませんけど、と、母譲りの髪を揺らして去ろうとする背中にヤムチャは「ひとつ、進言するぜ」と薄く笑う。
「お前の師匠は、雛鳥みたいなもんだ。だから…」
 ———早めに落としちゃえよ、と、ヤムチャ。
「…仰っている意味が、良く分かりませんが」
「いいか? 今は未だあいつの世界にはお前とブルマぐらいしかいないだろうが、その内行動範囲も広がればあいつ、流されちまうぜ」
 だからお前の事を考えてくれてる今の内にこそ落とせ、さもないと———そこまで語り終えた一匹狼は本来持つ剣呑な光を湛え、トランクスへと穿つ。

「…他の奴にあいつ取られちまうぞ、お前」







 一方で、弟子と男のやり取りなど知らぬ悟飯は、悟天や幼いトランクスを引き連れて中庭の雑草を抜きつつ、時折出逢うちいさな花を摘んでは「これみんなの部屋に飾ってあげようか」と穏やかな心持ちである。
 あと数日もすれば必ず、この戦いに終止符を打てる———、

 そう信じて。







 END.



すいませんほんとわかんねぇ…!
ただまぁ先達としても天津飯が、
非力ながらも未飯の『開放』を促してやりたい的に
構ってあげたのだ…と思ってやってください。

ヤムチャや天津飯は、武術家である前に、
ある意味悟空よりも大人で磨かれている印象が
あるのですよね…。
だからこそ外見のみ大きくなって
中身は子供のまま純粋な未来師弟を
構ってあげたら嬉しいな〜って妄想でした☆



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by synthetia | 2017-03-12 15:49 | (主にトラ×飯)駄文 | Comments(0)